2023-01-01から1年間の記事一覧

都会の安易さと女性化

先日、皇太子殿下に女児がおうまれになった。それについて女性週刊誌から私のところに電話があり「二十年後に、どのようなかたに成長なさるとお思いですか」との質問である。週刊誌というのは、なんでも記事の種にする。 そこで私は答えた。 「日本古来の伝…

日本大阪万博短評

万国博は大にぎわいのようである。私は友人の小松左京の案内で開幕前に少しのぞいたし、開会当日はある雑誌社の取材で見物した。その日、空中ビュッフェ一番乗りをこころみたが、あとで他の場所のそれが事故をおこしたと知り、冷汗をかいた。 数年前にニュー…

デジタル時計とアナログ時計

街を歩いていると、どうも面白くないものが目にとまる。それは時計である。銀行などのビルの外側についている、数字が電光で表示される仕掛けのものである。内心、不便なものを作ったな、と感じているのは私だけではあるまい。 すべての人はその数字を眺め、…

都心の道路とタクシー

ある日、乗っていたタクシーがふいに急停車した。どうしたのかと思うと、交通のはげしいなかを、中年の女の人がゆうゆうと横断しているのであった。運転手さんがブツブツこぼすのを聞き流しながら、考えてみた。たしかに、信号や禁止を気にしないで道を横断…

女性の側に立って弁護することはいくらでもできる。だが、攻撃するほうがずっと面白い。

手もとにある金言集をめくり、女性に関するところを見て、きもをつぶした。虚栄心が強い、よく邪推する、嫉妬心の塊であるなど、巧みな形容でぞろぞろ並んでいる。このような怪物が地球上の生存しているとは知らなかった。しかし、よく考えてみると、これら…

天才と錬金術師の共通点

錬金術の歴史を記した本を読むと、いろいろな意味で興味津々たるものがある。 そもそも、黄金を人工的に作ろうと考えるのは、なんたる飛躍であろうか、と言いたいところだが、この点は飛躍でもなんでもない。風が欲しいと思って扇を作ったのと、あまり差はな…

戦時中の澄んだ時代

昭和十八年、私は東京の高等学校に入学した。もちろん旧制である。数え年で十八歳だから、満で十六歳だったことになる。戦争のさなかでもあった。 この頃のことを、暗く重苦しい時代、と片づけている人が多いようだが、私にとってはそうでなかった。私のみな…

奇現象評論家・斎藤守弘

われわれの友人のなかに斎藤守弘という博識きわまる人物がいる。空飛ぶ円盤とか霊魂とか、世界の奇現象にくわしく、少年誌などに「ふしぎだが本当だ」といった題でずいぶん紹介している。普通の筆者なら紹介にとどまるが、彼はその先まで論ずるのである。 た…

軍歌と郷愁

<勝って来るぞと勇ましく>ではじまる歌詞の「露営の歌」という軍国歌謡がある。けじめにうるさい人の説によると、軍歌とは軍隊内で行事の時などに正式に歌うのを許されているもののことで「歩兵の本領」や「敵は幾万」のたぐいである。「麦と兵隊」のごと…

アメリカ人の日本人女性への視点

「なんだか世の中に美人が少なくなったようだなあ。美少女なんてのも、むかしはもっとたくさんいたような気がするが、このごろ、とんとお目にかからない」 という声を、よく耳にする。たしかに、そういえばそうである。いかに社会の変化が急激でも、人間の顔…

漫画・フクちゃん論

1955年にCARTOON TREASURYというアメリカ本が出版されている。書名の意味は<漫画の宝庫>で、世界じゅうの漫画の傑作をたくさんあつめたアンソロジーである。日本からは「フクちゃん」が三編収録されている。 外国漫画のなかにまざっている「フクちゃん」を…

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昔の日本の党首は立花孝志以上にユーモラスだった

吉田茂がユーモラスな人物だったことは、死去の際の特集記事で、いまや世に広く知られている。 「動物園に行かなくてもサルは国会でたくさん見ることができる」などとの、ぬけぬけした発言があった。自分も議員であり、しかもその党首なのだから、あきらかに…